
個別ケアとは、ご入居者を一番に考え、大切にしたケアを行うことを言います。特定の介護職員によるご入居者のケアのことではなく、また、画一化された介護ケアのことでもありません。ご入居者のライフスタイルや、これまでの背景などを理解した上で、その人らしく柔軟に対応したケアを指すものです。そのためにまず大切なのは、ご入居者のそれぞれ違うニーズを叶えようと努力することによって、個人を重視する個別ケアについて、自然と提供されやすい状況をつくるということです。しかし、入居する場所によっては、介護職員1人当たりのご入居者数が多いため、効率を優先して食事や入浴、日課などを介護職員の都合に合わせた時間で行う画一的な集団ケアになりがちです。
そこで、当ホームでは介護保険の基準より手厚く介護職員を配置し、「個別ケア」を実施しやすい体制をとっています。また、介護棟ではユニットケアを取り入れ、担当職員が変わらず、コミュニケーションをとりやすく、個別ケアをしやすい環境を整えています。
個別ケアを実施すると、職員同士の考え方や適応能力の違いなどによって差が出てしまう場合もあり、対処すべき課題もあります。より細やかな質の高い「個別ケア」を実践するためには、ご入居者の日々の介助や、介護の状態についての検証や見直し、さらに職員同士の意見の交換や情報の共有などを、積極的に行って改善していくという前向きな姿勢が必要とされます。
当ホームでは個別ケアに対する前向きな姿勢を持ちながら、ご入居者同士のコミュニケーションが良好に保てるようなグループケアにも力を入れております。例えば、ケアゾーンでは、ソーシャルディスタンスを取りながら、スクラッチアート(削り絵)、おやつ作り、ゲーム等を実施しております。
人は、その時々により気持ちに変化があります。私たちは、それを少しでも早く汲み取れる“気づきのある心”を持って、寄り添えるケアができるようにと考えております。これからも、入居者の皆さまが笑顔で穏やかに過ごして頂けるようなケアを心掛けたいと思います。
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